層々:
The Continuous
Sedimentation
of Memory

solo exhibition
MUST HAVE COFFEE,
Nerima, Tokyo
Dec 14, 2024–Jan 15, 2025

 記憶が記録されているからこそ、また思い出すことができるからこそ存在するのであり、思い出すことができない記憶は、存在しなかったことに等しいのである。特に、現在から遠く離れた記憶は、記録されなければ時間の経過とともに次第に忘れ去られていく運命にある。
 そしてすべての記憶が、ビデオや写真といった記録媒体に保存されているわけではない。特に、過去の些細な記憶はほとんど物質的な媒体を持たず、ただ突如として内面的に呼び覚まされるに過ぎない。私の幼少期の記憶もまた、日常生活の些細な出来事に結びつき、無意識のうちに呼び覚まされることが多い。しかし、それらの記憶は特別に記録しない限り、次に「目覚める」まで忘れ去られてしまう運命にあると、私は常々感じている。
 記憶は常に特定のオブジェとともに現れる。そして、それらのオブジェは過去の日常生活の些細な記憶と結びついている。いわば、それらは過去へのスプリングボードのような役割を果たしているのではないか。
 それで、以前には記録されていなかった生活の中で呼び覚まされる些細な記憶の断片を保存するためのシリーズ、《破片》を制作し始めた。
 このシリーズは現在、200点以上の作品があり、作品の数が徐々に増えており、アトリエの壁全体で徐々に蔓延っている。普段、アトリエのソファに座り、これらの「記憶の断片」を見回しながら、それぞれの過去に思いを馳せている。
 今回の展示では、作品の一部を現在の空間に配置し、あたかも私のアトリエにあるかのような状態を再現することを望んでいる。それを通じて、他者の内面に潜むある過去の断片が、暗闇から再び光の中へと引き戻されることを期待している。